18歳で父になった。
「また、どう伝えようか考えてるでしょ?
思ったままに伝えて?
私は紫苑くんの本当の言葉が知りたいの」
そんな、図星をつかれた言葉に思わず俺も笑ってしまう。
恋雪にはお見通しか。
「正直、恋雪のことは好きだしずっと一緒にいれたらとは思うよ。
でも、それは恋愛感情じゃないんだ。
柚子との事があって、あんまり再婚とか彼女とか考えられないかな…」
「うん」
「それに、俺なんかよりいい人はいっぱいいるから。だから優しくて素敵な恋雪はそんな素敵な人と幸せになって欲しい」
わざわざ苦労するほうを選ばないで。
そう、伝えると恋雪はこくんとひとつ頷いて少し悲しそうな顔で笑った。
「ありがとう。
でもね、私は紫苑くんといるのが幸せだからいるんだよ。
だから私のことを思ってって言うのは辞めてね?」
そう言うと、恋雪は言葉を続ける。
「私のこの真剣な思いを受け取ってくれないのは嫌だから。
受け取って、それでも考えきれないなら諦める。
だから、私のためって考えは捨てて、私のためなら考えて?」
真剣に、切実にそう伝えてくる目はやっぱり綺麗だ。
「わかった。
ちゃんと、真剣に俺も恋雪と向き合う」
「ありがとう」
こんなにも俺を思ってくれる恋雪の願う事なのだから、こちらもちゃんと返さないと失礼だもんな。
まだ少し恋愛は怖い。
でも、恋雪だけは、真剣にちゃんと考えよう。
そう、俺は決意した。