18歳で父になった。
突然の恋雪のいつもはしない行動に驚いて、唇が離れて恋雪を見つめると、恋雪は目をうるませていた。
「紫苑くん…」
切ない声と優しい目。
そんな姿の恋雪をいても立っていられずに、今度は俺から口付けてしまった。
何度も、何度も。
感謝、愛しさ、戸惑い。
色んな感情がごちゃごちゃになりながらのキスは、恋雪の息苦しそうな姿でようやく我に返った。
「もっと…もっとして欲しい」
自分の中に、こんなに止められない感情が溢れ出てくるのかと混乱していると
恋雪は縋るようにそう言ってきた。
「恋雪、でも…」
「いいの、なんでもいい。
好きでもそうじゃなくてもいいから…一時でも私を紫苑くんのものにして」
俺の言いたいことが全てわかるかのような恋雪の言葉に、俺の何かが我慢の限界を迎えた。
「場所変えるか」
「ん…」
きっと良くない関係だ。
辞めるべきなのだ。
恋雪のためを思うなら辞めるべきなのはわかってるのに、俺も恋雪も歯止めが聞かなくなっていた。
悶々とした気持ちのまま、花火の音をBGMに、近くのホテルへと向かった。