18歳で父になった。
「嬉しい…嬉しすぎて怖いよ」
柚子はぎゅっと潰れそうなくらい力強く抱き締め返してそう喜ぶ。
こんなに喜んでくれる子を絶対に悲しませたくないな。
「ずっと一生一緒だよ」
「そうだなー、よろしくな」
柚子の大袈裟なくらいの表現に少し笑いつつ、自分も恥ずかしいとか、キャラじゃないとか言わずに
ちゃんと伝えないといけないんだろうな。
と、学べた。
「ほら、泊まらなくていいから家に上がってよ!
イチャイチャしよ?」
このまま帰るつもりだった俺を見抜いたのか
柚子はそう言って玄関を開ける。
まぁ、泊まらないならいいか。
にしても、イチャイチャなんて何するんだ…。
なんて少し不安を抱えながら
柚子の家に入る。
「こっちこっち!隣に座ってよ」
喜んでいる柚子が、ウキウキしながら自分のベッドと思われる場所に座って隣をポンポンと叩く。
浮かれてる柚子が可愛いなぁなんて思いつつ、横に腰をかけると
そっと手を繋いできた。
「チューしよ?」
「え?」
まだ付き合ったばっかりだぞ?早くないか?
なんて眼差しを向けると、頬をムクっと膨らませて怒った顔になる柚子。
そう、俺は恋愛に興味もなければ
周りから言われるのは、ドがつくほど奥手らしいのだ。
確かに恋雪と付き合ってた時もデートなんて2年付き合って数える程度だし
キスもそれ以上も別れる前の1回だけ。
光司とかには"もっと健全な男になれ"
なんて言われるんだが、俺は健全なつもりだ。