18歳で父になった。




「は…ぁ…ん〜…っ」






広くて綺麗でテレビ付きのお風呂にゆっくり入ったあと、俺たちはいつものように肌を重ねていた。






「ゃっ、あ…」



「恋雪、こっち見て」



「う〜…」






すっかり火照って蕩けてしまった恋雪は赤い顔で俺の目を見て恥ずかしそうにそらす。



そんな姿が可愛くてつい、同じことを何度かしてしまうんだよな。






「もっ…もっと…紫苑くん
全部忘れるくらい強く…して…ん…っ」






恋雪は交わるとき、もっともっとと何度もせがむ。


強く抱き締めて、強くして、もっと深く。


その度に不安そうな表情を浮かべるから、そんな表情を消したくてその言葉のとおりに俺はする。






「はぁ…っ恋雪」



「ぁあっ…」






俺はここにいるよ、安心して。

そんな気持ちを伝えるように何度も何度も口付けを落とす。



わかってるんだ。
名の無い関係でこんなことをするから不安にさせるのだと。



でもまだ俺は怖くて、臆病で進めない。



恋雪との幸せな未来を夢見ようとすると
柚子の顔がチラつくんだ。


柚子が、責めてくるんだ。






「あ、もうっ…む、りぁ…」






全て忘れたい。

恋雪と肌を重ねている時だけは全部忘れれるんだ。


逃げていたっていい。
最低でもいい。


俺は許されたいんだ。






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