18歳で父になった。
2人から離れ、テラスのようなところに来ると、潤くんは思っきし舌打ちをしてきた。
「お前のせいで恋雪は苦しんでるんだよ!
わかってんのか!クソ野郎!」
突如そう叫び出す潤くんの顔は怒りで赤くなる。
潤くんの言葉は止まらずに続いた。
「何度も何度も俺は恋雪に俺にしろって言ってるのに、お前が中途半端に優しくするから諦められないんだろ!」
「……中途半端には優しくしてないけどな」
「中途半端だろ!じゃあなんで付き合ってないんだよ!!」
「…そこはそう言われても仕方ないけど、優しさに中途半端とか完全とかないでしょ」
わんわん怒鳴る潤くんに、俺が静かに反論するとまたカンに触ったのか俺の胸ぐらを掴む勢いで近づいてくる。
嫌なんだよな、こんな争い。
「君が恋雪を好きなのはわかったけど、だからって第三者が俺たちに口出すのはおかしいんじゃないか??」
早く終わらせたい無意味な争い。
どこまで恋雪と俺の関係を知っているのかはわからないが、恋雪がそうペラペラ喋る方じゃないから深くは知らなさそうだな。
実際柚子葉とかのことは知らなかったし。
「恋雪が本当に俺に関わって欲しくないって君に相談したなら俺はもう関わらない。
でも、違うなら今まで通り過ごすよ」
「そ、それは」
「ただし君の発言で恋雪が悲しんだり喜んだりするのを忘れないでな」
俺の言葉に、潤くんは悔しそうに俯いた。
きっと恋雪のことをすごく大事に思ってるんだろうな。
だから俺なんかと関わって欲しくないんだ。
「俺から言われて関わらない程度なら近づくなよ!!」
潤くんはそう怒って怒鳴ったがもうそれ以上の相手をしたくなくて2人の元に向かうべく踵を返した。
その程度、なんかじゃない。
俺だって大切だと思ってるよ。
だからこそ、踏み出せないし戸惑うし、幸せになって欲しいんだよ。