18歳で父になった。
「ご、ごめんなさい…」
恋雪は心底申し訳なさそうに謝るが、そんなのは耳に入らないくらいもやもやした。
そもそも彼女じゃないし、怒る権利もないし謝られることもないのに。
でもモヤモヤが止まらない。
キスマークとかそうそう付けられないし。
俺はしたことないし。
てか、相手はほぼ潤くんで確定だろ。
なんだそれ。
じゃあなんで俺のところに今来てるんだよ。
そんなことを考えて止まらないモヤモヤを必死に抑える。
「良かったじゃん、付き合ったの?」
そしてようやく絞り出したのはそんな嘘っぱちの言葉。
そんな言葉に恋雪は首を横に振って、今にも泣き出しそうに震える声をあげた。
「ち、違うの…。あれから潤くんとお酒飲んで酔っちゃって…。
気づいたらその…。」
「気づいたらヤッてたと?」
「う、うん…。」
なんだそれ。
恋雪はずっと俺の事好きでいてくれんじゃないのかよ。
恋雪はそんな尻軽じゃないんじゃないのかよ。
そんな思いが湧き上がってくるが、俺に言う資格はない。
「いいんじゃね?
恋雪のこと好きって言ってたし、幸せになれると思う」
これは少し本音だ。
潤くんは凄く恋雪を大事に思ってた。
だからきっと幸せにはなれる。
俺の気持ちはみなければ。