18歳で父になった。




俺が柚子を見つめて困っていると
柚子はプイッとそっぽを向いてしまった。






「柚子?」



「結局好きじゃなかったんだね?
キスもしてくれないなんて」



「え?」



「好きじゃないなら情なんてかけないでよ」






そう、完全に拗ねてしまった柚子に頭を抱える俺。



でもまぁこれくらいの拗ねる女の子は双子の妹に比べればマシなものだ。




俺は、柚子の頭を引き寄せて壊れないように包み込む。






「好きじゃないやつとは付き合わないよ」



「でもチューしてくれないもん」






それはまだ早くないか?


とはさすがに言えず、この甘い空気も苦手だが、大切にするし言葉にちゃんとすると決めたからには実行しなくては。



俺も少しずつでも変わらないといけない。




そう、気合を入れて、柚子の頬を挟んで目と目を合わせる。






「好きになってくれてありがとう柚子
俺もちゃんと好きだから安心しろな?」






うわぁ、恥ずかしい。



そんな感情を誤魔化すように、そっと柚子の唇に自分の唇を重ねた。



そのまま余韻を楽しむようにゆっくりと離すと、嬉しそうに照れる柚子。






「大好き!」






柚子がそう言ってベッドに倒れ込むのと同時に俺の携帯が鳴った。



携帯を見ると
"どこふらついてるの?今日私の勉強見る約束だったよね?"

と、双子の妹からの連絡。



そうだった完全に忘れてた。




これはめちゃくちゃ怒ってるぞ
あいつ怒ったら凶暴だからな。



とにかく帰ろうと、立ち上がって荷物を持つと、柚子が不安そうな顔になる。






「ごめん、今日約束あるの忘れてて帰らないといけないんだ
また週末にでもゆっくりしような?」



「わかった、気をつけて帰ってね」






案外素直に引き下がってくれたなぁ。
なんて思いながら、寂しそうな柚子を置いて
家をあとにした。






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