18歳で父になった。
しばらく柚子の帰ったあともその場で、したくない話し合いについて考えていると
「紫苑くん?」
と、聞きなれた優しい声をかけられた。
「恋雪」
「どうしたの?玄関の外で俯いて」
「いや、恋雪来るの待ってた」
「えー?本当?」
恋雪の不思議そうな顔にペラっと嘘をついてしまったのに罪悪感。
でもふふっと柔らかく笑う恋雪に癒されて回復。
「柚子葉が楽しみに待ってる」
「あはは、柚子葉ちゃん可愛いなぁ」
恋雪がそんなことを言いながら中に入ると
トトトトッと足音が聞こえて柚子葉が顔を出した。
「ママ!大好き!!」
「柚子葉ちゃん〜!おいで!」
恋雪は走ってきた柚子葉をぎゅっと抱きとめて2人で笑い合う。
何この天使たち…。
「柚子葉たのしみ!!はやくいこう!」
「そうだな!ほら、じゃあ車に乗った乗った〜」
「わーい!!」
恋雪と柚子葉を車の後ろに乗せ、発信させた。
ともかく柚子のことは忘れて今日は思いっきり楽しもう。
柚子葉へのサプライズも用意してるしな。