18歳で父になった。
「正直、どうしてやることも出来ないけど、なんで親とも疎遠になってんの」
俺も進まないながらも、軽いご飯を口に運んでまた問うと、柚子は苦笑いをうかべる。
「子供を2人目産んで施設に預けたのがバレて、しかも離婚したのもバレたの。
そんなふしだらな女はいらないってそれから疎遠」
そりゃ、柚子が悪いわな。
「おまけにちゃんと働いてないからって家まで契約切って、私をホームレスにしやがった」
そう言うと柚子はムカついてきたのか、顔がムスッとむすくれはじめた。
でも、正直両親の言いたいことは分かる。
もし自分が親で子供がそんなことになってたら怒るだろうし。
「んで頼れるのが紫苑くんしかいかいなくてね。
お願い、助けて?」
柚子は手を合わせて、お願いのポーズをとるけどどうしろと言うんだ。
「先に言っておくけど、俺はもう恋雪と柚子葉と3人で暮らしてるし、結婚もしようと思ってるから柚子とよりを戻す事は出来ない」
今の幸せを崩すつもりは無い俺はそう告げると、意外とあっさりこくんと頷く柚子。
だが、すぐに口を開いた。
「別に付き合うとかなくていいよ。
ただお金とお家くれたらいいの」
「は?」
「だって元を正せば紫苑くんが悪いし。
慰謝料的な感じでさ」
そんなことを平然と言って笑う柚子に寒気が走る。
もう俺が悪いとか悪くないとかどうでもいいけど。
慰謝料ってなんだ。慰謝料って。