18歳で父になった。
研修医1年
2人の時間
時は少しすぎ、5月。
俺の研修医生活も始まり、柚子葉も小学校に楽しいと毎日通う日々が続いていた。
柚子はというと、まだ就職先も子供をどうするかも決められておらず困ったものだ。
「柚子、ハローワーク行ってるか?」
俺が昼に仕事が終わって実家に顔を出すと、驚きの人物が来ていた。
「紫苑くん、お疲れ様」
そう、柚子を訪問しに来ると、恋雪が何故か来ていたのだ。
「恋雪なんでここに?」
「柚子葉ちゃん帰ってくるまで暇だから様子見ようかと思って…。
妊娠とかのこと男の人には相談しにくいだろうし」
笑ってそんなことを言う恋雪の横で柚子はムスッとしているが、恋雪の優しさはやっぱり誰に対しても平等だな。
「それで?決まったの?どうするか」
相談はまだ出来ていないだろうけど、聞いてみると柚子からそっぽを向かれてしまう。
こりゃ今日はダメだな。
俺が諦めかけていると、恋雪が俺に向かって笑いかけてくる。
「私が話してみるから先に帰ってて?」
「わかった、ゆっくりいいぞ
ご飯とか柚子葉は俺に任せて」
「うん、お願い」
多少は2人にするのが不安ではあるが、ここは恋雪を信じるしかないだろう。
幸いにも家には母さんもいる事だし。
恋雪の言葉に頷いて俺は今日の晩御飯を何にするかなんて、考えながら実家を出た。