18歳で父になった。




【恋雪side】



紫苑くんが帰り、柚子ちゃんと2人きりになって暫く沈黙。



1度柚子ちゃんと腹を割って話したかったからいい機会だと思ってきたけどなかなかそうはいかないよね。



元旦那の今カノなんて気分いいわけないもん。




でもやっぱりこれは避けて通らない方がいい気がしたの。






「柚子ちゃん、もしかしてまだ紫苑くんのこと好きなの??」






私は純粋にずっと疑問に思っていたことを聞いた。



だって、いくら元旦那でもこんなに執着するかなって。


いくら農家になりたくなかったからって、子供を妊娠してまで結婚するかなって。



ずっとずっと疑問だから。
そんな私の疑問を聞いた柚子ちゃんは眉をぴくりと一瞬上げる。






「なんで?別に好きになったことなんてないよあんなお人好し」



「本当に?
ただの1度も?全て嘘だった?」



「うん。
顔はいいし運動できるし人気者だし頭もいいし実家も金持ち将来も安泰。
その理由だよ」






柚子ちゃんはそう言って笑って顔を伏せる。






「本当にそうならなんで私の顔を見て言えないの?」






顔を伏せて隠しているように見えた柚子ちゃんにまた私が問いかけると、柚子ちゃんは顔を上げて私を見た。






「うるさい…。
あんたには分からないよ。あの人にずっと好かれてるあんたにはね。」



「え?」






顔を上げてそう言った柚子ちゃんの表情は悲しそうで。


言葉の意味もよく分からない私はただ聞き返すしか無かった。






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