18歳で父になった。
暫くわんわん泣き続けて、ようやく泣き止んだ頃にはすっかり目が腫れてしまっていた。
「目、冷やした方がいいよ
せっかく可愛い顔してるんだから」
私はリビングで紫苑くんのお母さんに保冷剤を貰って柚子ちゃんに渡すと、素直に貰って目を冷やす。
「子供は産む。産んで一人で育てるよ。」
目を冷やしながら柚子ちゃんはそう、小さな声で呟いた。
頑なに1人では無理だと言っていた柚子ちゃんが意外だなぁ。なんておもっていると、柚子ちゃんは私を見てやっと笑ってくれる。
「今まで私がした罪は消えないけど
そんな私でも1人で立派に育ててみせるよ。
柚子葉のこと、よろしくね」
なにかが吹っ切れた様子の柚子ちゃんに少し安堵した。
きっと大丈夫。
柚子ちゃんなら強くて立派なお母さんになれると思う。
「うん、任せて。
柚子ちゃんも困ったことがあったらなんでも言ってね」
「うん、仕事も探すよ」
「頑張ろう!」
人は変わろうと思えば変われる。
そう私は思っているから。
きっと柚子ちゃんも変われる。
そんな根拠の無い自信が私には湧いてきたのだった。