18歳で父になった。
俺がお茶とジュースをついで柚子のいる部屋に戻ると、柚子は体調悪そうに横になっていた。
「大丈夫か?」
「うーん」
「ほら、飲み物飲んだがいいよ」
体調の悪そうな柚子にお茶を手渡すと
コクコクと喉を鳴らして飲む。
「私、この数ヶ月色々考えたの」
「うん?」
具合悪そうな柚子は、俺の目を見てそう言ってきた。
突然真剣モードの柚子にちゃんと向き合おうと見つめ返す。
「色々人生間違えたなって…。
2番目の子には償いきれないことをしたって思う」
「うん」
「だから、産むとか育てるって言ったけど、私がちゃんとこの子を育てられるのか不安なんだ…。
育てる資格があるのかな…って」
そう言って目を伏せる柚子は弱々しくて。
本当に心から反省しているんだと伝わってきた。
「もし、本当に反省してるんだったら
柚子葉や2番目の子に注げなかった愛情を注いであげて欲しい。
柚子は帝王切開だから3人で限界だと思うし。
これが変わる最後のチャンスだと思うぞ」
不安だろうが変わるしかない。
たとえ辛くても乗り越えなくては変われないから。
そう、柚子に伝えると
柚子は俯いてしばらく考えたあとまた俺を真っ直ぐに見た。
「もしまた私が間違えそうになったら正してくれない?
きっといつか、柚子葉も母親が違うって知る日が来ると思うから。
その時に恥じないような人でいたいの」
柚子はまだやっぱり自信はなさそうだが、それを支えるのはきっと俺の役目なのだろう。
せめて支えて叱って。
それが俺なりの柚子への償いだと思うから。
少なくても柚子の人生の中で大事な時に一緒にいたからな。
「わかった。
もし間違えそうになったら俺が怒るな?
大丈夫、柚子は1人じゃないからきっと変われるさ」
「うん…ごめんなさい…」
きっと後悔で押しつぶされそうなのだろう。
したことがした事だし。
でも、それでも後悔して反省している今の柚子は間違いなく変わったんだと思った。