18歳で父になった。
「散々酷いことしてごめんなさい…。
沢山傷つけてごめんなさい…。
何度謝っても許されないことしてごめんなさい…。」
柚子はそう言うと涙をポロポロと零して俺に向かって頭を下げた。
「私なんかと関わらなければ紫苑くんは今頃絶対に幸せだったのに…ごめんなさい。」
そう、泣きながら謝る柚子の背中をポンポンと優しく摩った。
「俺は、出会わなければよかったとは思わないよ。
柚子が居たから柚子葉がいるしな。ありがとう」
これは本音だ。
だって柚子葉に出会えて俺は強くなれて、守りたいものを見つけて幸せだと思った。
柚子との出会いも否定したらきっとそれは柚子葉を否定することになるからそれはしないんだ。
俺の言葉を聞いた柚子は涙を拭うことなく、言葉を紡ぐ。
「この数ヶ月、ここのお家で生活させてもらって、紫苑くんとか恋雪ちゃん、紫苑くんパパが優しくて…。
私あんなことしたのに、こんなに優しくされて…本当に申し訳なくなったの」
「うん」
「私自身、自分がすごく恥ずかしい存在に思えて消えたくなった…。
どうやっても償いきれないことをしたんだって悲しくて…私もそんな心が綺麗な人になりたかった」
柚子はそう、言いながら嗚咽を漏らしつつ泣く。
そんな姿が俺も悲しくなって。
1度でも好きになった柚子を、柚子自信がそんなふうに言って欲しくなくて、柚子の頭を撫でた。
「本当に柚子に失望した時もあったけど、俺はそんな柚子でもやっぱり好きだよ。
もちろん恋愛的な意味ではないけど、大切な人だと思ってる。
俺の人生の中でなくてはならない人だと思ってる」
柚子は違うかもしれないけどね。
なんて、俺が笑うと
柚子は首をぶんぶんと横に振る。