18歳で父になった。

「ありがとう。
これからも、お互いに頑張ろうな。
子育ても何かあったら頼っていいから」






柚子への恨みなんてもう全然残ってなくて。



やっと、俺の柚子への思いに一段落付けられたような気がした。






「柚子、ありがとう。
もうなにも気にしなくていいからな」






長い長い柚子への想い。


それがようやく今日ひと段落着いたことで心が軽くなった。


そしてずっと抱えていたもやもやが溶けた嬉しさ。




よかった。






「ありがとう、ありがとう紫苑くん」






まだ涙を流している柚子の背中を抱きしめてトントンと落ち着くように撫でた。




きっとこれからの柚子なら大変なことも乗り越えられる。



だって1人じゃないから。
俺らも存分に助けてあげることもできるから。







「ほら、もう泣くなって〜！な？」



「うぅ…うん…っ」






俺の言葉にようやく泣きながらも笑顔を見せてくれた柚子に俺も笑いかけた。



俺たちは歪で下手くそな付き合いしか出来なかった。


それで色んなことを間違って色んな迷惑をかけた。




でもきっとそれも俺達にとっては必ず通らなくてはいけなくて、乗り越えられることだったんだ。




そんな、嬉しさを噛み締めて俺と柚子はようやく笑いあった。