18歳で父になった。
翌日、俺が学校に行くと
なにやら教室がざわついていた。
「おはよ、どうしたんだよ」
俺が近くにいた友人の太一(たいち)に声をかけると
俺の声に振り返った太一が"わ!!!"と叫んだ。
「どうしたもこうしたもないよ!
お前が柚子ちゃんと付き合ったって話で持ち切りだぞ!」
「大袈裟な」
きっと柚子が嬉しくて広めたのか。なんて考えながら太一の声で振り返る光司にも声をかけられた。
「みんなの紫苑くんが〜とか、告白しても断られてたのに〜って嘆く女子が後を絶たないぞ」
「いやいや、絶対うそだろ」
べつに俺そんなにモテないし。
と、言うと、太一から頭を叩かれる。
「モテモテのくせに嫌味なのか!!!?
見よ、クラスの女子の泣き顔を!!」
そう、太一の指さす方を見ると確かに何人か泣いたあとの顔をしている。
そんな事言われてもなぁ…。
俺が困っていると、恋雪が"おはよう"と声をかけてきた。
「付き合ったんだね?」
「おう、昨日あの後に」
「おめでとう」
恋雪の言葉にお礼を返すと
太一がまたしても頭を叩いてきた。
さっきからなんでそんなに叩かれなきゃなんだよ。
「本当にお前って鈍感!!」
「どこがだよ」
「それより詳しく聞かせろよ。
俺の真優の紹介で付き合ったんだからな」
ビービーうるさい太一の頭に腕を置いて、俺にいつもより楽しそうに言うのは光司。
光司は太一と違ってテンションがどちらかと言うと低くて、よく恐がられるが良い奴だ。
2人とも中学からの友達。