18歳で父になった。
「恋雪、話したいことがあるんだ」
柚子との結婚の時はろくにプロポーズすらしなかったから、初めてのことに緊張しながら俺が口を開くと、恋雪は少し不安そうな顔で俺を見つめた。
「ずっと待たせたと思う。
沢山傷つけてごめん。沢山支えてくれてありがとう。
柚子とも和解して、色々考えていく中でこの1年間、初めて恋雪との未来を見つめることが出来た」
「……」
「ずっと避けてた事だったけど、自然と恋雪を幸せにしたい。俺ばかりでなく、俺も恋雪を支えたい。助け合いたいって。」
そこまで話してここ1年に少し思いを馳せる。
柚子と和解して、わだかまりも解けて。
無事に子供も生まれて、俺と恋雪で柚子を少しづつサポートしながら社会復帰できた姿を見届けた。
そんな時に、やっぱり俺は恋雪と一緒にいたいと強く思った。
誰にでも分け隔てなく優しくて
自分より他人を優先して
いつも笑顔で時に厳しく
一緒にいてこんなに心穏やかになれる人はきっと金輪際一生現れないとすら思った。
だからこそ、沢山待たせて、沢山傷つけただろうけど。
バツイチだし子供もいる俺なんかと一緒になって果たして恋雪は幸せなのかはわからない。
でも後悔はさせない、させるつもりはない。
そこまで強い思いが出た俺は、次の言葉を口にした。
「恋雪。
俺と結婚してください」
心臓が口からとび出そうなくらいの緊張で手が震えそうになるのを必死に堪えて、指輪を差し出すと
恋雪の目にはいっぱいに涙が溜まっていた。