18歳で父になった。
目に涙をいっぱいに溜めた恋雪は潤む瞳で何度もコクコクと頷いた。
「嬉しいよ…。
私で良かったらよろしくお願いします」
恋雪の返事にほっと一息つけて、緊張が解けていく。
「絶対幸せにする」
「ありがとう、私も紫苑くんを絶対幸せにするね」
そう言って笑う恋雪に俺も笑い返した。
頑張ろう、どれだけ辛くとも苦しくとも
恋雪と柚子葉の為にこれから頑張ろう。
俺はそう意気込んだ。
柚子とは文字通り一緒に幸せになることは出来なかった。
だけど次は絶対に大切な人を手放さないようにしたい。
「私、紫苑くんはもう結婚する気ないと思ってた。
だから、そばにいられるだけでいいと思ってたから本当にみたい」
恋雪のそんなハニカミながら言う言葉に俺も思わず笑ってしまう。
「俺もそのつもりだった。
1人も幸せにすることが出来なかった俺だからもうしないでおこうって…。
でも恋雪だから、したいと思った」
「うん…ありがとう。
大好きだよ紫苑くん」
恋雪の指に指輪をはめて、大好きという恋雪の手を強く握った。
俺も大好きだよ、なんて照れくさくて言えないけど
そんな気持ちを込めて…。