18歳で父になった。
「次どこ行こうかな〜」
柚子はコーンの部分をサクサクと食べながら、次の計画を立てるが時間は既に18時。
そもそも今日の12時まで部活でその後から遊んだからなんだけど。
「よし!夕飯の買い出しに行って、2人でご飯作ろう♪」
柚子は言うが早いか、残りのコーンを口いっぱいに詰めてもぐもぐとかみながら立ち上がった。
「紫苑くん、行こ」
立ち上がっていつも通り俺に手を差し出す柚子の小さな手を
これもまたいつも通り重ねて包んだ。
「今日は、シチューにする!」
「いいなシチュー、俺好き」
「でしょ?私も好き」
なんて、シチューには何を入れるかなんて話をして盛り上がる。
こんな他愛ない話で盛り上がる時に俺は一番幸せだなって感じるんだよな。
そんな話をしつつ、買い物をして
レジで並んでいると…
「柚子〜!紫苑くん〜!」
と、俺達を呼ぶ声がスーパー内に響き渡った。
誰だこんな恥ずかしいことするのは。
人の迷惑を考えろよ、なんて文句を心の中で言いながら声のした方を向くと
光司と真優ちゃんカップルがいた。
もちろん大声で呼んできたのは真優ちゃんの方。
「偶然じゃん」
「お前らも買い物?」
「そ、映画鑑賞家出するんだけど
その時のおやつ買いに来た」
映画鑑賞か、楽しそうだな。なんて光司に返すと
お前らは?と聞かれた。
「俺らは夕飯の買い物」
「新婚かよ」
俺の言葉に光司の的確な突っ込みで思わず笑ってしまうと、光司もつられてくすくす笑う。