18歳で父になった。
高校3年生
誕生日プレゼント
柚子とのお泊まりデートから約2ヶ月。
俺達も高校の最高学年である3年生にも慣れつつある頃の5月。
光司や太一とは相変わらず同じクラスで
恋雪も同じクラスだった。
柚子は残念ながらまた違ったのだが。
「紫苑くん、誕生日おめでとう
あさイチに渡そうと思ってたんだけど、時間なくて」
昼休み、俺と光司と太一で他愛ない話をしていると、恋雪がそう言いながらプレゼントを持ってきてくれた。
そう、今日は俺の誕生日だ。
18歳になってしまった。
「ありがとうな恋雪
覚えてたんだな俺の誕生日」
「わ、忘れるわけないよ」
「あはは、俺も恋雪の覚えてるよ」
恋雪の誕生日は覚えやすい12月25日、クリスマスの日だからな。
恋雪らしい誕生日だなぁなんて思った記憶がある。
「この前靴下破けたって話してたから、買ったと思うけど良かったら使って」
プレゼントを指さして、恋雪は恥ずかしそうにそう言うが、普通に靴下は嬉しいな。
何足あってもやっぱり毎日バスケするしどうしてもボロボロになるのが早いから助かる。
「いい子だなぁ恋雪ちゃん」
恥ずかしそうにプレゼントを渡してすぐにどこかに行ってしまった恋雪を見ながら、太一はそう呟いた。
前から思ってたが何かと太一は恋雪のことを話題に出すよな。
そう思ったのは俺だけじゃないのか、光司も呆れたように太一を見ながら笑った。