18歳で父になった。
「なに、お前花房のこと好きなの?
やめとけやめとけ、あいつは紫苑しか見てねぇよ」
光司はそんなことを平気で言ってのけるが
俺と恋雪はただの友達だと何度言えばわかるのか。
太一も"そんなのわかってる!"とか言ってるし。
「でもめっちゃ健気じゃん
付き合う前から付き合ってる時も別れたあとも!
絶対まだ好きだって」
「まぁ、好きすぎて辛いって別れたならな
別れなきゃいいとか思うだろうけど、本当に紫苑は分かりづらかったし。
俺らでも好きじゃないのかと思ってたし」
そう、恋雪と付き合ってる時は
やたらとみんなからちゃんと好きだと言わないと振られるぞ、と言われてたのだ。
まさにその忠告通りになったわけだけど。
「今のお前は大分口にしてるし態度に出すようになったから、尚更花房も焦ってんだろ」
「可哀想だなぁ恋雪ちゃん」
俺が言い返さないことをいい事に、言いたい放題いいやがる2人。
実際恋雪の今の気持ちなんて聞いてないし
分からないから適当なこと言えないだろう。
俺と一言で傷つけるかもしれないと思うと、気安く否定も肯定も口には出せない。
ただ俺が唯一言えるのは、恋雪を見てると未だに癒されることくらいかな。絶対口にはしないけど。
「お前のメンヘラ彼女もそれくらい健気で可愛ければなぁ」
光司はいつもの様に、俺を見てそう言ってきた。
その、メンヘラ彼女の意味はよくわからないが、褒められてないことは光司の表情からわかる。
「柚子も可愛いよ
ちょっと独占欲強いけどな」
「ちょっとじゃねぇよ
全身キスマつけるやつそうそう居ないぞ」
「あはは」
光司の言葉に笑うと、"笑い事じゃねぇよ"と言ってくるが
これもまた、俺を心配して言ってくれてるのはわかってる。
でも俺は柚子と別れたいと思わないのだからちゃんと好きだし、た可愛いと感じるところた沢山あるんだか大丈夫だろう。
それに今日は、誕生日パーティーを家で開いてくれるみたいだし。
楽しみだな。