18歳で父になった。




「紫苑くんのこと気になるって子がいるんだよね
私の友達だからおすすめ出来るよ」



「あー、そうだなぁ…」






真優ちゃんはそう言ってくれるが正直あんまり興味ない。


彼女が欲しいわけでも恋がしたい訳でもないしなぁ。




俺があいまいに笑っていると、真優ちゃんがなにやら電話を始めてしまった。






「あ、うん、そう!
とりあえず変わるね?」






電話の相手とそういって笑った後
俺にケータイを渡してくる。



かわる、とは俺にかわるということか。


つまりその電話は紹介したい子って事だろう。
俺の意思は無視かい。と心の中でツッコミつつ、ケータイを受け取ると


ケータイの向こうから"どうしよう、どうしよう"と緊張した声でつぶやくのが聞こえてきた。






「もしもし?」






俺が声をかけると、ヒュッと息を飲む音がする。

あまりの緊張が伝わってきて少し心配になるけど、大丈夫なのか…?






『えっと、私、隣のクラスの綾瀬 柚子(あやせ ゆず)です!』



「ああ、俺は高野紫苑です」






丁寧に自己紹介してくれる綾瀬に、し返すと"本物!"って声が返ってきた。



もろ聞こえてるんだよなぁ。






『今日遊びませんか!?』



「え、今日??」





突然の提案に戸惑って返すと
"はい"と祈るような声で断わりづらい。




困ったなぁ…時間は19時。



門限があるわけじゃないけど、今から遊ぶっても何もすることないだろ…。




なんて思っていると、真優ちゃんが俺からケータイを取って電話の向こうに向かって一言言う。






「学校出たすぐのコンビニに待っててもらうから来なよ!じゃあ私たち帰るね!」






と、OK出てないのにそう言い放って電話を切った真優ちゃん。


そんな姿に光司が"ごめん"と謝ってきた。






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