18歳で父になった。
「ついでに性別も聞いてきちゃった
生まれてからの楽しみだって言ってたけど待ちきれなくて」
「お?どっちだった?」
そう、実は柚子の希望で性別は生まれてからのお楽しみってことになってた。
俺が柚子の顔を覗き込むと、柚子はへへっと笑ってピースを作る。
「女の子だって」
「おー!!じゃあ柚子の考えてたっていう名前付けれるな!」
「うん!やったね〜」
女の子かぁ。
きっと可愛いんだろうな。
なんてまだ見ぬわが子を思い浮かべて
柚子の肩をそっと抱き寄せた。
まだ18歳で、きっとやりたいことも沢山あるのに俺の子を産んでくれる。
そんな柚子が愛しくて、もっと大切にしたいと思った。
「名前はね、柚子葉(ゆずは)!
私に似た名前をつけたらもっと可愛く感じるかなって思って」
柚子葉。
似た名前過ぎて驚いたが、柚子がそれがいいと言うならそれがいいのだろう。
ずっと女の子だったらつけたい名前があるって言ってたし。
俺が、"いいね"と頷くと、また嬉しそうに柚子は笑った。
「柚子葉、早く会いたいな〜」
なんて、少し気が早いが、柚子のお腹に手を当てながら柚子葉に話しかける。
ぎこちなくも、最近は夫婦としてなんとかやれているように思う。
できないことは補い合う。
家事類はほぼ全て俺。
柚子は子供をお腹の中で育てる!と意気込んでいて、一応分担は出来ているし。
そんな日々の生活に
やっぱり俺はこんな他愛ない時間が幸せだなと思うのだった。