18歳で父になった。
【紫苑side】
恋雪と別れたあと、光司と太一の元に戻ると柚子と柚子葉と璃苑が来ていた。
恋雪との話で少し感情的に涙ぐんでしまったのは予想外だったからちゃんと目をあらっておいてよかった。
なんて思いながら笑顔でその集団に近づいた。
「柚子、柚子葉〜!」
柚子葉を抱っこした柚子に近づくと
素早く柚子葉を手渡してくる。
「柚子葉ちゃんめっちゃ可愛いな!
顔整いまくってるけど、どっちかって言うと柚子ちゃん似だな」
光司は、そう言いながら柚子葉の頬をぷにぷにとつつく。
「確かに、柚子に似てるな〜!」
「柚子葉ちゃんも可愛いけど璃苑ちゃんも可愛いよ!紫苑!」
太一はそんな場違いなこと言ってるから無視。
久々の璃苑にテンションが上がってるのか
璃苑との話で盛り上がっている。
「お義母さん達は先に帰るって言ってたよ
お義父さんが緊急オペ入ったとかで」
「そうなんだな、大変だな父さんも」
柚子が報告してくれたことに返すと
真優ちゃんがフーフーと冷やかしてきた。
「今の会話すごい夫婦っぽい!!いいね!」
「でしょ?紫苑くんは私のだから」
「妬けるねぇ〜!」
なんて、謎なところでテンションの上がる真優ちゃんにドヤ顔の柚子。
それでもやっぱり光司の顔は渋いものだった。
「ふぎゃー!」
各々で盛り上がっていると、柚子葉が俺の腕の中で泣き出してしまう。
よしよし、といつものように宥めるも
そろそろ帰らないとかななんて思いながら柚子と目が合った。
「じゃあ帰ろっか
そろそろ柚子葉もご飯の時間だし」
「そうだな、そうするか」
柚子の言葉を合図に、俺と柚子は柚子葉を連れて踵を返す。
もう、卒業式後のパーティーとかは出ないことにしているからここでみんなと会うのは最後。
とは言ってもは定期的に集まろうと話してるからそのうち会えるだろう。
「じゃあなー」
「じゃあね!柚子葉ちゃんバイバイ!」
「あー」
まだ話せない柚子葉にも声をかけてくれた真優ちゃんに手を振りながら
俺と柚子と柚子葉は帰った。
ちなみに璃苑は太一たちと遊ぶそうだ。