18歳で父になった。




席に戻ると、柚子はムスッと頬をふくらまして睨んできたが今は宥める時間はない。






「ごめん、急用出来たから行ってくる。
本当にごめん、お金は置いとくから」



「はぁ?ありえないんだけど」






自分でもこの選択があってるとは思わないし
でも間違ってるとも思わないから、ごめんと手を合わせて隣に座っていた光司の肩を叩いた。



たまたま隣にいてくれてよかった。






「急用出来てでないとだから、よかったら柚子家まで送ってくれない?
本当に迷惑かけるんだけど…」






早口で頼み事だけ伝えたにもかかわらず
光司はこくんと頷く。






「わかった。行ってこい」



「ごめん、ありがとう」






夜に女の子を1人で帰らせるわけにも行かないから、光司がいなかったら香菜の所に行けなかったかもしれない。


そう考えるとこの偶然を作ってれた神様に感謝。






「ちゃんと後でケアしろよ。
俺達もなんとかしてみるから」



「うん、迷惑かけてごめん。
真優ちゃんもごめん」



「大丈夫だよ!気をつけていってね!」



「うん」






光司と真優ちゃんには今度なにかお礼しなくちゃな。




柚子にはあとから謝ろうと考えて、香菜から伝えられたホテルへと走った。






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