18歳で父になった。




「身体痛いだろ?
とりあえず風呂入っておいで
その間に俺着替えとか買ってくるから」






いつまでもこの格好のままにも行かず
だからといってこれで外にも出せず
そう言うと、香菜は静かに頷いた。






「ごめんね…」



「いいよ、じゃあ行ってくる」






すっかり怯えきった香菜は
いつもの一匹狼で強い姿はなかった。






「紫苑、紫苑がいてくれて良かった」






香菜のそんな声を聞きながら
そっと鍵を持ってホテルを出た。






「下着と、洋服と〜」






コンビニにはさすがにそこまで揃ってないよなぁ、その辺の服屋さんでいいか。

ぎりぎり時刻は21時前だから空いているはず。




それにしても、友達なのに酔った勢いでもなんでも手を出そうとしたり


暴力を女に加えるやつの気が知れない。




自分より弱い人をいじめて何が楽しんだか。




そんなことを考えながら、買いにくいけど洋服と下着一式。



それから元気を出して欲しくて、ちょっとしたデザート類も買ってみた。






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