18歳で父になった。
とりあえず、思いつくいるものを買ってホテルに戻ると、香菜はお風呂から上がってバスタオルで包まっていた。
「ほら、これに着替えな」
「ありがとう」
買ってきた衣類を手渡して、俺はテレビを見る。
異性とホテルにいるとか最低すぎる…
どんな事情があってもダメだよなぁ…
絶対柚子を傷つけるし黙っておこう。
俺がこのことは墓場まで持っていくことを心に近いながら待っていると
香菜が突然俺の背中に抱きついてきた。
「紫苑、私と付き合ってよ」
と、突然香菜は、俺の耳元でそう告白してきた。
あまりに急な告白で反応出来ずにいると
香菜はもっと抱締める力を強くする。
「私友達もいないし、勉強しか出来ないけど、紫苑が好きだよ」
きっと、香菜の一生懸命の告白にしっかりと耳を傾けながら
ゆっくりと香菜を引き剥がす。
「ごめん、俺もういるんだ。
だから香菜の気持ちには応えられない」
香菜を引き剥がして、目を見て断ると
香菜の目には涙がいっぱいに溜まった。
「そっか…。そうだよね、イケメンでなんでも出来て性格もいいのに居ないわけないよね!
ありがとう!」
涙を目にいっぱいためながらもにっこり笑って振る舞う香菜はいい子だなぁと思う。
「ごめんな。
ほら、怪我したところ消毒とかしておこう」
「うん」
毎度毎度告白を断るのが嫌いな俺は
早く話を変えたくて、買ってきた消毒液で香菜の傷口の手当をした。