18歳で父になった。
それから数時間。
ようやく24時近くになって、香菜が落ち着きを取り戻した。
「ごめんね、ありがとう」
「いいよ、本当に無理しないでゆっくり休めよ」
「わかった、また明日ね」
まだ少し不安が残るが、これ以上の心配は俺の役目ではあるまい。
香菜を家まで送り届けて
ようやく24時を過ぎた頃、家に入った。
「ただいまー」
柚子の怒りと慰めをどうするか考えながら、リビングに入ると
他のみんなは寝たのか、父さんが柚子葉をあやしている所だった。
「紫苑、遅かったね」
「う、うん。
ごめん、柚子葉見るよ」
「何となく話は光司くんから聞いたけど何があったの?
柚子ちゃんかなり怒ってるよ」
そうですよねー。
怒ってリビングにも居ないのか。
なんてげんなりしつつ、柚子葉をあやすと
キャッキャッと笑ってくれる柚子葉に癒される。
「柚子葉のとこに行ってくる」
「仲直りしなよ」
父さんが心配そうに言ってくるのに頷いて
柚子葉を抱っこしたまま、部屋に入る。
「柚子、ごめんな」
部屋に入ってすぐ、柚子に謝ると
柚子はベッドど横になったまま、唇をとんがらせて怒っていた。
「普通にありえない。
どれだけ私を悲しませるの」
「うん、本当にごめん
この埋め合わせはするから」
ムスッとしたまま表情の変わらない柚子に困る俺。
完全に俺が悪いよ本当に。