18歳で父になった。




「パパ、パパ〜」






恋雪の腕から降りた柚子葉は、ニコニコと俺の元によちよちとやってきた。


うん、やっぱり可愛い。







「ゴホゴホ」



「大丈夫かよ、お前もっと自分の体大事にしろよ」



「してるよ」






光司の言葉にはみんな頷くけど、俺は自分より柚子葉だし、柚子なんだ。


結婚する時に心で誓ったから。



そんな俺の気を知ってか知らずか、それ以上は何も言ってこない光司。



代わりに体温計を真優ちゃんが持ってきた。






「顔色悪いし測ってみて?無理しちゃダメだよ」



「あー、大丈夫だと思うけど…ありがとう」






真優ちゃんの好意を無駄にする訳にも行かず、体温計を腋に挟んで測ってみる。



風邪とか俺の記憶の限りは引いたことないし
熱だって出したことないから、体だけは丈夫だから大丈夫だと思うんだけど。




そんな思いでピピピと体温計が鳴って見ると
38.9°の表示。



これは、熱ですね。






「お前思いっきりあるじゃねぇか!
とりあえず横になれ!柚子葉ちゃんは俺らが見るから」






俺の体温計を見た光司が驚いて、いそいそと自分のベッドに俺を放り投げるように寝かせた。



扱うならもっと優しく扱えよ。






「私冷えピタとか買ってくる!
行こう恋雪ちゃん」



「おう、よろしくな」






真優ちゃんの優しい気遣いと、光司の言葉を合図にバタバタと動き始めるみんな。


太一はお守りがかり。





なんか俺のためにそんなしてくれる申し訳ないな…。






< 66 / 187 >

この作品をシェア

pagetop