18歳で父になった。
「パパ、パパ〜」
恋雪の腕から降りた柚子葉は、ニコニコと俺の元によちよちとやってきた。
うん、やっぱり可愛い。
「ゴホゴホ」
「大丈夫かよ、お前もっと自分の体大事にしろよ」
「してるよ」
光司の言葉にはみんな頷くけど、俺は自分より柚子葉だし、柚子なんだ。
結婚する時に心で誓ったから。
そんな俺の気を知ってか知らずか、それ以上は何も言ってこない光司。
代わりに体温計を真優ちゃんが持ってきた。
「顔色悪いし測ってみて?無理しちゃダメだよ」
「あー、大丈夫だと思うけど…ありがとう」
真優ちゃんの好意を無駄にする訳にも行かず、体温計を腋に挟んで測ってみる。
風邪とか俺の記憶の限りは引いたことないし
熱だって出したことないから、体だけは丈夫だから大丈夫だと思うんだけど。
そんな思いでピピピと体温計が鳴って見ると
38.9°の表示。
これは、熱ですね。
「お前思いっきりあるじゃねぇか!
とりあえず横になれ!柚子葉ちゃんは俺らが見るから」
俺の体温計を見た光司が驚いて、いそいそと自分のベッドに俺を放り投げるように寝かせた。
扱うならもっと優しく扱えよ。
「私冷えピタとか買ってくる!
行こう恋雪ちゃん」
「おう、よろしくな」
真優ちゃんの優しい気遣いと、光司の言葉を合図にバタバタと動き始めるみんな。
太一はお守りがかり。
なんか俺のためにそんなしてくれる申し訳ないな…。