18歳で父になった。
「お前安心して寝てるか?
安心して心安らかに生きてるか?」
無理やり横にされた俺が、ぼんやりと天井を眺めていると
光司はそんな質問をしてきた。
安心して…か。
心安らかに…か。
思い返せば、柚子と出会って子供が出来て結婚して、将来の夢も諦めて。
色々目まぐるしく過ぎていったような気がする。
そんな中、少しでもほっとした時間だとか
俺らしい時間があったかと聞かれるとなかったと思う。
柚子は常に気分が沈んでて
イライラしがちで
育児も家事も放棄していて
何も思わないようにしているけど、よくよく考えると理不尽なこととか、辛いなと思うことが沢山ある。
こんなことを思うのは体が弱ってるからだろうな…。
光司の質問に答えれずにいると
光司は短く、ごめんと何故か謝って部屋を出ていった。
「ゴホゴホッ」
熱があるって知ったらな急激に体調が悪く感じるのはなんなのだろうか。
「はぁ…」
体調と同じく気分も落ち込みかけたところで
俺は夢の世界へと誘われた。