18歳で父になった。
俺がそんな気持ちでいっぱいでイライラしていると、突然インターホンが鳴った。
「はい」
宅配便かなにかだろうか。と思い、取ると
インターホンの向こうは今最もみたくない女だった。
「紫苑くんきてるでしょ?
入れてよ」
そう、メンヘラ女こと、柚子だ。
今まさに話題の人物の登場に場の空気が凍りつくのを感じた。
「私があけるよ」
みんなの顔がこわばっているのをみて、真優がとととっと玄関へ向かってドアを開ける音がした。
その後すぐに足音が近づいてくる。
「こんにちは。紫苑くんは?」
入ってくるなり、紫苑の居場所を聞く女。
俺の気持ち的には教えてやるかクソ野郎。
と言いたいところだが、悔しいが紫苑の嫁にそんなことは言えない。
言いたいけど。
俺は口も聞きたくなくて、紫苑の寝てる部屋の方を指さすとメンヘラ女は花房を目視したあと舌打ちをしたのが聞こえた。
「未だに付きまとってんのかよ負け犬め」
と、今まで聞いたこともないくらい口の悪い暴言を花房に向かって吐き捨てて
紫苑の寝ている部屋へと向かった。
花房は少し悲しそうな顔をしつつも、笑顔で受け止めるところが偉いなと思った。