18歳で父になった。
翌日。
昨日はとりあえず光司達の家に泊めてもらった。
みんなも心配して、泊まってくれており
解熱剤を飲んで寝たから少し微熱くらいには熱も下がってくれていた。
「ぱぱー!」
「柚子葉着替えるから待って」
よてよてとぎこちなく歩き回る柚子葉を捕まえて洋服を着替えさせる。
「紫苑、ちゃんと親父さんにこの事言えよ?
お前の親父さん頼りになるんだから」
柚子葉を着替えさせていると、光司がそう言って俺の頭を軽く小突いた。
まぁ、流石に別れる別れないとなってくると言わないわけにも行かないから言うけど
あんまり言いたいことじゃないよなぁ…。
俺の顔からそんな気持ちを読み取ったのか、光司は柚子葉を抱っこしてため息をついた。
「あの女だから何を言い出すかわかんないんだから、ちゃんとしろよ?
柚子葉ちゃんのためを思うなら頑張れ」
「うん、大丈夫だよ
ありがとうな」
こんなにも俺の為に怒ったり泣いたりしてくれる人が周りにいる限り俺は頑張れる。
俺は気合いを入れ直して
光司の家を柚子葉をつれて出た。
「なんかあったら言えよなー」
そう、見送ってくれる光司の声を背中に浴びながら。