18歳で父になった。
ようやく泣き止んだ柚子葉を連れて
家へと帰るとみんなリビングに揃っていた。
とりあえず一通り、言われたことを苦しくて何度も言いたくなくなりながら
話すと、3人とも開いた口が塞がらなくなってしまう。
「どこから突っ込んでいいのかわかんないけど、最低過ぎない?」
「そんな女別れろ!
義理の母親に気も使えないだけじゃなく、柚子葉の面倒みないし!」
「それにずっとこのままいても辛いだけだよ。柚子葉ちゃんを虐待とかしそうじゃん」
璃苑と母さんはそう言って、光司達と同じように別れろ別れろ言ってきているが
父さんは何を考えているのか言葉を発しない。
「紫苑はどうしたいの?
そんなひどいこと言われてどんな気持ちなの?」
やっと言葉を出したと思ったら俺をしっかりと見据えて父さんは尋ねてきた。
俺の気持ち…。
「かなりショックで…それと同時に裏切られたような気分だった。
好きでもないやつと一緒にはいなくていいかもしれないとは思ったし
柚子葉を大事にしてくれないなら、俺が大事にしたいと思った。」
柚子の言った事を要訳すると
金と職業で俺を選んで
子供を作ってまで結婚したのに農家になるならいらないと。
俺のことなんて好きではないし
子供も可愛いと思えないこと。
そんな状況でこれから上手くいくはずがない。