初恋は委員会とともに
初めてのバレンタイン
あれから数ヶ月、もう真冬だ。図書室は一気に寒くなったがストーブを付けてくれるので意外と快適だ。
「寧々ー。もう準備してる?」
「何を?」
「バレンタインデーだよ!もうすぐでしょ!」
「あー。毎年作らんから忘れてた笑」
「今年は作らないとだよ!なんせ、本命がいるんだから!」
「でも、私お菓子なんて作ったことないし...」
「でもじゃない!一緒に作ってあげるから。ね?」
「分かったよー...」
「何作る?ちなみにあげるものには意味があるんだよ!飴は、あなたのことが好きとか、あなたと長く一緒にいたいとかの意味らしいよ。
マカロンやカップケーキは、あなたは特別な存在っていう意味で、本命におすすめだって!
クッキーはあなたとはお友達ですっていう意味だから友達にあげるにはいいけど、本命には適してないかな。
グミやマシュマロは嫌いっていう意味になるから絶対ダメだね!」
「へぇー。よく知ってるね!調べたの?」
「もちろん!寧々のためにね!」
「わざわざありがとう。で、チョコは?バレンタインデーってチョコのイメージなんだけど...」
「実はチョコには意味はないみたいなの。びっくりだよねー!」
「へぇー。そうなんだ。」
「で?どうする?やっぱマカロンかカップケーキだけど、マカロン難しいんだよなー。」
「じゃあカップケーキにする!難しいの無理!お菓子作るのすら初めてなのに!」
「りょーかい!じゃあ明日買い物行って、誰もいないと思うし前日に私の家で作ろうか!」


「カップケーキ綺麗に作るのも大変だね... 変な形にふくらんじゃった...」
「あはは笑 ちゃんと空気抜いた?こうやってトントンってやったら空気抜けてマシにはなると思うよ?」
「分かった!やってみる! ところでさ、麻耶は本命渡すの?好きな人いるって言ってたじゃん?」
「あー。一応、渡すつもりだけど渡せるか微妙笑」
「そうなんだ。明日暇?」
「うん。なんで?」
「光輝さんの家に渡しに行くのついてきて欲しいから。」
「学校で渡さんの?」
「手渡しとか絶対無理!告白はせんし...」
「分かった。じゃあ明日あそこ集合ね。」
「うん! 見て!綺麗にできた!」
「ほんとだ!よかったじゃん!寧々もやればできるね!」
「言い方!まあよかった!」

それから私たちは光輝さんの家に渡しに行った。渡しに行くって言ってもポストに入れただけなんだけどね。麻耶には言ってないけど実は名前も書いてない。なんか書けなかった。

次の日、
「カップケーキありがとう。」
「えっ!?分かったの?」
「うん。名前は書いてなかったけど“光輝さんへ”って書いてただろ?お前字独特だから分かった。」
「あっ。そっか。」
「ありがとう。嬉しかったよ。」
「ううん。」やばい。こんな優しく笑った顔されたらドキドキするじゃん!かっこよすぎでしょ!あーもう!にやけそう!やばい!
その日はこれまでにないくらいすごく幸せだった。もちろんソッコー麻耶にも言ったよ!バレンタインは大成功!!
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