My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
信じられなかった。
だって、ラグとブゥは初めて会ったときからずっと一緒にいて、お互い相棒として信頼し合っているのがよくわかって、ブゥはラグといるのが当たり前で。
だから、信じたくなかった。
「お、話がわかるじゃねぇか」
グリスノートの声にハっとする。
「そいつだってああ言ってんだ。決まりだな」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
私は慌てて向き直り叫んだ。
満足げな笑みを浮かべていたグリスノートの眉がぴくりと跳ね上がるのを見て、一瞬怯みそうになる。――でも、こんなの納得できるわけがない。
私はぎゅっと拳を握り、続けた。
「ブゥは、その子は私たちの大切な仲間で、だからそんなにすぐには決められません」
「そうよ!」
一緒に声を上げてくれたのはリディだった。