My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
それから、オルタードさんはリディに付き添われ自分の家へと帰っていった。セリーンに何度も頭を下げながら。
「オルタードさん大丈夫かな……。でも会えて良かったね、セリーン」
「あぁ」
セリーンが満足げに微笑むのを見て私も嬉しくなる。
「あの男に関しての情報も手に入ったしな」
「うん。ラグも金のセイレーンの伝説は知らなかったの?」
「あぁ」
彼は丁度荷物から本を引っ張り出したところだった。
例のセイレーンについて書かれた本だ。そういえば元々この船長室にあったものだ。
「あいつがセイレーンなら、お前と同じようにこうして歌を作って歌うことも出来るわけか」
例のエルネストと書かれた楽譜のページを開いてラグが言う。
(エルネストさんが歌を……)