My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
「……グリスノートは、それ知ってるのかな」
知らず声が低くなっていた。
夢のためとはいえ、自分のことしか考えていなさそうなグリスノートになんだか腹が立ってきた。
セリーンが首を横に振りながら溜息をつく。
「どうだろうな。だがオルタードのことだ、はっきりとは口にしていなさそうだな」
「うん……」
「お待たせー! ごはん出来たから下りてきてー!」
リディの大声が響いてきたのはそんなときだった。
「はーい!」
返事をして私はベッドから立ち上がる。
「とにかく、今夜あの野郎から知っていること全部聞きだす」
そう言いながら立ち上がったラグに私は大きく頷いた。