My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
「あらほんと。可愛いじゃないの!」
「ほんとぴったりねぇ!」
「あ、あの……?」
私が頭を押さえて小さく声を上げるとエスノさんが満面の笑みで言った。
「いいから、ちょっとじっとしておいで」
彼女たちが一斉に私に近づいてきて、思わず目を瞑る。
(――なになになに!?)
「うん、いいんじゃない?」
「サイズぴったりで良かったわ!」
そんな皆のはしゃいだような声におそるおそる目を開けて、その目をぱちぱちと瞬く。
元々着ていた服の上から綺麗なレース生地のマントを羽織らされていた。
「???」
まとめていた髪の毛もいつの間にか解かれ意味がわからないでいると、さっき一緒にお手伝いをした女の子が後ろで手を組んでもじもじとこちらを見上げていた。
「お姉ちゃん、しゃがんで?」
「ん、なぁに?」
同じ目線の高さになるようにしゃがみこむと、ささっと頭に何かを乗せられまた驚く。それはどうやら花冠らしく、更に私の頭の中は疑問符でいっぱいになる。