My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5

「あー、紹介すんのが遅れたが、昨日商船から奪ってきた娘だ」
「ひゃっ!?」

 ぐいっと腰を引き寄せられて思わず悲鳴が漏れる。
 グリスノートはそんな私にしか聞こえないような小さな深呼吸をひとつして、大声で告げた。

「こいつを俺の嫁にすることにした!」
「っしゃー!」
「待ってたぜーー!!」

 再び周囲で上がった大歓声に頭がクラクラした。身体はふわふわするし、もう色々と限界で立っているのが精一杯だ。

「ってことは頭! いよいよなんだな!?」

 同じテーブルに座っていた仲間の一人がそんな興奮しきった声を上げた。
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