My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
「貴様が術で追い払えばいいんじゃないか?」
セリーンがいつものように言いながらもう一度鍵を閉めた。
「うるせーよ!」
怒鳴りながら乱暴に椅子に腰かけるラグ。やはり術を使うつもりはないらしい。
「でも、どうするの?」
「どうもしねーよ。行っちまうのを待つしかねぇだろ」
イラついた様子で頬杖をついた彼の頭にブゥが乗るのを見ていつもなら少しは癒されるのに今日は駄目だった。
もう一度窓から外を見るがやはり何も見えない。その姿が見えないのが余計に不安を煽った。
「たちの悪い奴らでないといいがな」
セリーンがぼそっと呟くのを聞いてぞっとする。
「たちの悪い奴らって?」
「金品を奪うだけでなく、船ごと奪っていく奴らだ」
「!? で、でも、この船にはセリーンみたいな強い傭兵が何人か乗ってるんだよね?」
「普通はな。だから大丈夫だと思うが」
と、セリーンの顔に緊張が走った。
バタバタと大勢の足音が近づいてくる。海賊たちのものだろうか。
私は祈るように胸の前で両手を握りしめた。
セリーンがいつものように言いながらもう一度鍵を閉めた。
「うるせーよ!」
怒鳴りながら乱暴に椅子に腰かけるラグ。やはり術を使うつもりはないらしい。
「でも、どうするの?」
「どうもしねーよ。行っちまうのを待つしかねぇだろ」
イラついた様子で頬杖をついた彼の頭にブゥが乗るのを見ていつもなら少しは癒されるのに今日は駄目だった。
もう一度窓から外を見るがやはり何も見えない。その姿が見えないのが余計に不安を煽った。
「たちの悪い奴らでないといいがな」
セリーンがぼそっと呟くのを聞いてぞっとする。
「たちの悪い奴らって?」
「金品を奪うだけでなく、船ごと奪っていく奴らだ」
「!? で、でも、この船にはセリーンみたいな強い傭兵が何人か乗ってるんだよね?」
「普通はな。だから大丈夫だと思うが」
と、セリーンの顔に緊張が走った。
バタバタと大勢の足音が近づいてくる。海賊たちのものだろうか。
私は祈るように胸の前で両手を握りしめた。