My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
(いよいよ……?)
「あぁ、夜が明けたら長と話をつけに行ってくる」
グリスノートがそう答えるのを聞いて、そのときやっと人垣の向こうにラグとセリーン、そしてリディの姿を見つけることが出来た。
(なんで、みんな一緒に……)
「そういうわけだからよ、」
「ひぇっ!?」
視界が急にぐるんと回ったかと思えば、グリスノートの顔がまた至近距離にあってびっくりする。
「~~っ!?」
横抱きにされたのだと気が付いて口をパクパクしている私の目の前で、彼はにぃっとワルそうに笑った。
「てめぇら、朝まで邪魔すんなよ?」
彼のその言葉にまたも仲間たちはどっと沸き立ち、そこで私の意識はぷつりと途切れた。