My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
24.楽園
けれど、彼は納得してくれなかった。
「良いわけあるか」
「でも、どうせもうお嫁さんってことになっちゃったんだし」
そう返すとラグは眉間の皴を更に深くした。
「条件を思い出してみろ。嫁だけじゃねぇ、子供もだ。お前はあいつと振りで子供まで作る気か」
「そっ、」
かぁっと思わず顔が熱くなる。
「そんなわけないでしょ!?」
「あの野郎も、あのじぃさんもそのつもりなんだろうが」
「そこは、なんとかオルタードさんを説得して……」
言いながら私は後ろのセリーンを振り返る。でも。
「オルタードを説得するのは難しいぞ」
そう言われてしまい、また言葉に詰まってしまう。
と、彼女が溜息交じりに続けた。
「あとは、リディにオルタードの考えを全て話して、彼女から説得してもらうしかないだろうな」