My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
「丁度いいじゃねぇか。いつかは話をつけなきゃならねぇんだ」
「なんの話だ」
そう訊いたのはセリーンだ。リディがこちらを振り向いて、言いにくそうに口を開く。
「商売敵っていうのかしら……。そのあたりの海を縄張りにしている海賊団がいてね、そこの頭が術士なの」
「!」
(術士の海賊!?)
ラグもこれには驚いたようだ。眉を寄せグリスノートの方を睨むように見つめた。
グリスノートはそんなラグに不敵な笑みを返す。
「あんたらも金のセイレーンに会いたいんだろ?」
「……」
ラグは何も言わなかったが、グリスノートはそれを肯定と受け取ったようだ。
「決まりだな。準備が出来次第、ヴォーリア大陸に向けて出港だ!」