My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5

 グリスノートもそんな妹の想いに一瞬言葉を失くしたようだ。しかし。

「――て、テッドの店はどうすんだ! それにオルタードが許すはずねぇだろうが!」
「オルタードは好きにしろって言ってくれたわ! テッドにはこれからちゃんと話すもの!」
「はぁ!?」

 その視線がオルタードさんの家を睨み、すぐにまたリディに戻った。

「俺は許さねぇぞ!」
「なんでよ!?」
「お前が女だからだ!」
「カノンやセリーンさんも一緒でしょ!? 私一人加わったところで変わりゃしないわ! それに私がいれば食事だって大分まともになるわよ!」

 そこでまたグリスノートがぐっと言葉に詰まるのがわかった。
 ……そういえばこの船で食事はまだしたことないけれど、グリスノートたちは普段船内でどんな食事をしているのだろう。半月ほどずっとこの船で過ごすのだ。食事は美味しいに越したことはないけれど……。
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