My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
「それで、ブゥは?」
「そこだ」

 セリーンの指差した先を見上げると、天井からブランコのようにぶら下がった止まり木に、ふたつ白い毛玉が……いや、ブゥとグレイスが仲良く並んで留まっていた。

「かっわいい」

 思わずそんな声が漏れてしまっていた。
 グレイスの方も主人がすぐそこで伸びているのにまんざらでもなさそうだ。

「完全に仲間だと思っているなあれは」

 するとまた溜息。

「元々そうやって仲間同士密着して生活しているらしいからな」

 ラグはそう言いながら私の横を通り過ぎ棚の上に置かれていた自分のナイフを腰に収めた。

「ブゥが?」
「あぁ」
「へぇ。だからブゥあんなに幸せそうなんだ」

 ブゥの仲間がああしてたくさんくっついている姿を想像して顔が緩みそうになる。
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