My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
ブゥはラグの呼びかけにすぐに反応し、一度名残惜しそうにグレイスにすり寄ってから止まり木から飛び立った。
その小さな身体がいつものようにラグの頭に乗ったのを見てほっとする。嫌がったらどうしようかと思った。
(ラグもほっとしたんじゃないかな)
その表情を見ようとして、ドカっ!という凄まじい音がして思わず小さく悲鳴を上げる。
先程のラグのように扉を壊した海賊たちが数人バタバタと部屋の中に入って来た。
「てめぇら、よくも頭を!」
「ただ失神しているだけだ。直に目を覚ます」
倒れているグリスノートを見つけ憤慨した海賊たちにセリーンがいつもの調子で答える。だが海賊たちがそれで納得するはずがない。
「うるせぇ!!」
「やっちまえ!」