My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
ラグも半信半疑という顏でそんな彼女を見上げている。
「……すまない。そうだな、しばらくは自重するとしよう」
「そ、そうしてくれ」
じりじりとセリーンから距離をとっていくラグ。それでも彼女はいつものように追いかけたりしなかった。
本気で嫌いになるぞ、という言葉が効いたのだろうか。
ラグが一先ず安堵したようにふぅと息を吐くのを見て苦笑していると、セリーンがそんな彼を見つめ幸せそうに微笑んだ。
「もうしばらくはその姿を見ていられそうだからな」
「は?」
「え?」
ラグと私の声が被る。
「海賊の息のかかった街かもしれんだろう。今のうちに用心はしておいたほうがいい。カノンが変装するのならお前もその姿でいたほうがより安全だろう?」
「あ、そっか」
「ぐっ……」
海賊船がここに近づいていたのは確かだ。この街の近くにアジトがあるのはほぼ間違いないだろう。
街の中でも油断は出来ないということだ。
彼女はうきうきと続けた。
「なんならお前も変装するといい。色々と拝借してきたからな」
そしてセリーンはパンパンに膨らんだバッグの中から服や小物を引っ張り出し始めた。
「ふふふ、どんな格好が似合うだろうなぁ~」
緩みきったその顔を見て、ラグの顔が完全に引きつっていたのは言うまでもない。
「……すまない。そうだな、しばらくは自重するとしよう」
「そ、そうしてくれ」
じりじりとセリーンから距離をとっていくラグ。それでも彼女はいつものように追いかけたりしなかった。
本気で嫌いになるぞ、という言葉が効いたのだろうか。
ラグが一先ず安堵したようにふぅと息を吐くのを見て苦笑していると、セリーンがそんな彼を見つめ幸せそうに微笑んだ。
「もうしばらくはその姿を見ていられそうだからな」
「は?」
「え?」
ラグと私の声が被る。
「海賊の息のかかった街かもしれんだろう。今のうちに用心はしておいたほうがいい。カノンが変装するのならお前もその姿でいたほうがより安全だろう?」
「あ、そっか」
「ぐっ……」
海賊船がここに近づいていたのは確かだ。この街の近くにアジトがあるのはほぼ間違いないだろう。
街の中でも油断は出来ないということだ。
彼女はうきうきと続けた。
「なんならお前も変装するといい。色々と拝借してきたからな」
そしてセリーンはパンパンに膨らんだバッグの中から服や小物を引っ張り出し始めた。
「ふふふ、どんな格好が似合うだろうなぁ~」
緩みきったその顔を見て、ラグの顔が完全に引きつっていたのは言うまでもない。