My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
「私たち傭兵にとっては仕事の斡旋所であり、色々な情報が手に入る場でもある。まずはここがどういう街なのか知りたいからな」
そうだ。まだここが大陸なのか島なのかさえもわかっていない。先ほどセリーンが言った通り、海賊の息のかかった街という可能性もある。
セリーンは前に向き直り、再び辺りを見回した。
「ギルドが無ければ酒場か食堂だ。流石に腹が減った」
私も頷いてお腹を摩る。結局丸一日何も口にしていない。
「宿もあるといいね」
出来れば今夜は揺れないベッドでゆっくり眠りたい。だがそのためにもまずはこの街が安全かどうか確かめる必要がある。
と、丁度そのとき前方から楽し気な笑い声が聞こえてきて私たちは顔を見合わせた。