My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
「それは、構わないけど、ベッドはひとつしかないわよ?」
セリーンは頷く。
「大丈夫だ。一応これでも仕事中だからな」
するとリディアンちゃんはふふっと笑った。
「そう、わかったわ」
彼女は手前のお兄さんの部屋のドアを開けると「じゃ、これ」と言って手にしていた灯りをセリーンに渡した。
「ゆっくり休んでね。おやすみなさい」
「ありがとう! おやすみなさい」
私がお礼を言うとリディアンちゃんはまたにっこりと笑って階段を下りて行った。
その姿が見えなくなってふぅと小さく息を吐いていると、おいと小さく声が掛かった。
見るとすでにセリーンとラグは部屋の中に入っていて、私はラグの目線に促され小走りで後に続いた。