元最強女総長は甘くない。
なんだか意味深に聞こえたけど、深入りはしない。
「そうなんですね……」
千歳さんの腰に掴まってて、なんだか少し眠たくなってきた。
……なんて、こんなところで居眠りはよくないな。
気を抜いたら地獄へ真っ逆さまだ。
にしてもこんなことして、街中であった時とか気まずくならない?
いや、出会わなければいいんだけど……。
ましてや、お互い全く知らないしバイクに乗せてくれたのが不思議なくらいだ。
それに乗せる人にこだわりがある人ならなお、おかしくない?
よく良く考えればおかしな人だ。
……まぁ、いいか。
どうせ、もう関わることもないんだし今日くらいは……。
私は吹き抜ける風に身を任せながら、久しぶりの感覚にしばらく浸っていた。